仕事・業務

堀美智子からの店頭で活躍する方へのメッセージ!

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1. 夏の湿布薬、でも冬も・・・

 暑いですね。この季節、薬局で気をつけているのが、「夜に足がつって痛くてね。湿布薬をください。」という方。日中、汗が多く出たとき、麦茶などで水分の補給は気をつけていても、塩分の摂取が不十分だった場合、時間がたってから足や背中などがつる熱けいれんを起こすことがあります。昼間、どのような環境ですごされていたか、塩分の摂取は不足していなかったか。そんな確認も大切です。

 熱中症での発熱や塩分不足での足のつりに必要なのは、解熱剤や湿布薬ではありません。必要なのは、塩分摂取です。夏の補水対策、スポーツ飲料が定番ですが、そこはやはり好き嫌いがありますよね。麦茶に梅干し、麦茶にバナナ、トマトジュースやリンゴジュース(ジュースの場合は、果汁100%より30%程度の濃度のもののほうが水分が吸収しやすいといわれています)、スイカやキウイに塩を少しふって食べてもいいですよね。最近では熱中症対策の塩飴なども販売されています。熱中症対策は、水と塩分そしてブドウ糖があればより水分を吸収しやすくなると覚えておいてください。

 でも、脱水による熱性けいれんは夏だけではりません。乾燥する冬!寝汗などから脱水になることも注意したいものです。

2. 発熱とうつ熱

 新型コロナウイルス感染症の流行は、私たちが、熱を測ることがあたりまえの世界になってきました。いろいろなところにある測定器、でも必ずしも正確ではありません。是非、脇で測定して平熱をしっておいてください。

 ところで熱が高くなる理由の中に、発熱とうつ熱があります。

 外気温が高くなると発汗だけで体温をさげることになるのですが・・・。脱水状態になると、汗も出にくくなり、熱が高くなってきます。これがうつ熱です。うつ熱の時に、解熱剤を使うことは効果が期待できないだけでなく、返って症状を悪化させてしまいます。うつ熱の時は、体を冷やすことが大切です。この時 手のひらを10℃から15℃くらいの水の中に浸すと体温が下がりやすいです。一方 発熱は感染症や組織の破壊、例えばガンや心筋梗塞などでも熱が出ます。熱が高イコール感染症→ 解熱剤が必要ということではありません。また、高齢者では、肺炎などの感染症があっても発熱がみられないことも多いとされています。さらにヒザなどの痛みから、痛み止めを飲んでいると熱が上がりにくいのでどんなことに注意が必要なのか薬剤師に相談してください。

3. 汗が出にくくなる薬

 暑い日が続いていますね。40℃を超える日も、地球沸騰化時代といった表現までなされるようになってきました。ところで、外気温が35℃以上になると、体の熱を上げないように働くのは、ほとんどが汗を出すこと、汗の水分の蒸発に依存することになります。汗が出ないと・・・。ざっとした計算では体重60kgの人場合、体温が36.5度の人なら1時間後には40度、2時間後に43.5に上昇することになります。43℃を超えると命の危機となります。汗はとても大切です。脱水状態になると汗が出ませんから、水分補給の重要性がよびかけられているのです。

 ところでもう一つ知っておいていただきたいのが汗を出にくくする薬があることです。調剤した薬を受け取るとき、市販の薬を購入するときにも、汗が出にくくなることはありませんかと、薬剤師に質問して対応の仕方もしっておきましょう。

 いつまでも、自分の歯で噛んでおいしいものを食べる。これは大切なことです。薬局で「お食事はめしあがれていますか?」こんな質問をしたときに、「あーエサね!」とおっしゃった方がいらっしゃいました。それ以降私はこの質問を変えました「お食事美味しくめしあがれていますか?」と美味しく食べることが大切です。日本老年歯科医学会などが、口が弱ってきている口の虚弱(オーラルフレイル)のチェックと対策を発表されています。下記の項目あなたは何項目当てはまりますか?正しく歯磨きできていますか、舌や喉の筋肉を鍛えたることも大切です。さあ、チェック項目はある方は、薬局で詳細な情報を得てください。

この記事の
執筆者・情報提供者

堀 美智子

薬剤師。医薬情報研究所(株)エス・アイ・シー取締役/医薬情報部門責任者。一般社団法人日本薬業研修センター医薬研究所所長。一般社団法人日本医薬品登録販売者会理事。名城大学薬学部卒・同薬学専攻科修了。同大学薬学部医薬情報室、帝京大学薬学部医薬情報室勤務を経て、1998年に医薬情報研究所(株)エス・アイ・シー設立に参加。1998~2002年日本薬剤師会常務理事。薬剤師への研修をはじめ、薬やサプリメントに関する講演・セミナーを数多く行い、またテレビやラジオ番組にも出演。
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